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3月末の円高(リパトリ)は勝てるのか ── 16年検証の判定

n 標本不足 ── 判定を出すには回数・稼働日数が足りない

📜 「本邦企業の決算前は海外資金を円に戻す(リパトリ)ので円高」── 3月が来るたびメディアに登場する説です。

結論

「本邦企業の決算前は資金還流で円高」 ── 年1回のイベントなので16年でも16標本しかなく、この土俵では測る資格に届きません。集計上は円安方向に出ますが年ごとに符号が反転し、通説が正しいとも間違っているとも言えません

📈 当ラボの実測
16年分の3月末週を測ると、標本は16回・稼働85日・取引51回しかありません。同じ土俵の判定基準(取引30回かつ稼働100日)に届かず、この検証は数字を出す資格がありません。集計上は+44pips(円安方向=通説の逆)と出ますが、年ごとに符号がバラバラで、「真逆だった」も「差がない」も言えないのが正確なところです。

📏 この「n」の正確な意味

測って見つからなかったのではなく、測れていません。取引回数か稼働日数が足りないため、この手法には × を出す資格がありませんでした(線引き: 取引200回未満、または稼働日数1,500日未満)。× は「16年フルに市場に居て、それでも見つからなかった」という判定なので、年に数回・月に数日しか出番のない手法に貼ると意味がずれます。

これは判定を甘くする操作ではありません。「効くとも効かないとも言えない」を、そう表示しているだけです。上に書いた実測値そのものは変わっていません。

期間別に測るとどうだったか

この辞書の記号は16年8ヶ月をまとめて1つに測った結果です。「全期間で測るとこうなる」という限定つきの事実であって、いつの相場でもそうだという意味ではありません。

では「昔は効いた」と書けるか ── 書けませんでした。48指標の減衰を2通りの時代の区切り方で測ったところ、2つの結果の相関は r=+0.28(並べ替え検定 p=0.056)。区切り方を変えると順位が入れ替わる指標が多く、「賞味期限」の多くは手法の性質ではなく区切り方の産物でした。

そこで主張は足さず、事実だけを並べます。「2014-17年に測ったらこの値だった」は来年も変わりません。変わり目があるかどうかは、表を見たあなたが決めてください。

この手法の期間別の実測は、まだ測っていません。全期間の判定だけが出ています。測り終えた期間から、この表に数字が入ります。

2010-13未測定
2014-17未測定
2018-21未測定
2022-25未測定

読み方: 数字は期間内の年率シャープ(コスト控除後・同一の土俵で測定)(年率シャープ)。±0=値が自分の誤差(標準誤差)より小さく、ゼロと区別できない。n=◯=取引数が30回未満で、数字を出す意味がない。=別の区切り方で測ると符号が変わったセル(この数字は区切り方に依存します)。未測定=まだ測っていない。悪かったという意味ではありません。なお、この表の ±0n=◯4年ごとに切った1つの期間の話で、ページ冒頭の判定記号(×=16年通しで見つけられる大きさが無かった / n=16年通しでも回数が足りない)とは粒度が違います

なぜ「効く」ように見えるのか

年1回しか来ないイベントは16年でも16標本しかありません。小標本のたまたまの偏りが「法則」として語り継がれる典型です。

よくある疑問

Q. 判定が×から n(標本不足)に変わったのはなぜ?

A. 記号を実態に合わせただけで、中身は前から同じです。取引51回・稼働85日は、当ラボのハーネス自身が「n不足」と判定する水準 ── ×(測って見つからなかった)を名乗る資格がありませんでした

それでも使うなら

非推奨。年次アノマリーは標本数の時点で法則化できません。
関連ツール: 🩺 今日の相場カルテ(暦・イベントの判定を毎朝自動で)

※測り方(共通の土俵): 最長16年・最大6通貨・教科書どおりの標準ルールで、シグナルの次の足の値段から建て、コスト(スプレッド)控除後で評価。パラメータ選びに使う期間と成績を測る期間は分離(凍結)。詳細は検証の方法

🔬 この判定の「なぜ」を、証拠ごと

全手法の判定一覧は判定辞書トップスコアボードに。検証の中身(データ・手順・落とし穴)は note の検証記事群でどうぞ。

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判定は当ラボの実検証(過去データ)に基づく要約であり、将来の結果を保証せず、特定商品・手法の断定的否定でもありません。本ページは教育目的であり、投資助言ではありません。