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ダウ理論は勝てるのか ── 16年検証の判定

× この検証で見つけられる大きさの優位は無かった

📜 19世紀末、ウォール・ストリート・ジャーナル創刊者チャールズ・ダウの相場観察が起源。テクニカル分析全体の土台となる思想です。

結論

12の切り口で検証して全滅 ── しかも皮肉なことに、トレンド理論なのにトレンド相場で一番負けました。勝って見えた期間の正体は「円安に乗っただけ」でした。

📈 当ラボの実測
12の切り口(高値安値の定義×時間足×フィルタ)を検証して全滅。決定打はレジーム分解 ── 下落相場では常時ロングより深く負け、円安期の勝ちはただの便乗と判明しました。

📏 この「×」の正確な意味

「効かない」ではありません。「16年測ったが、この検証で見つけられる大きさの優位は無かった」です。16.6年・6通貨で測ると、年率シャープの数字は手法によらず前後0.22ほど揺れます(期間の長さだけで決まる量)。この揺れに埋もれない大きさ ── 年率シャープ0.62以上が、当ラボが8割の確率で見つけられる下限です。実務的にありがたい0.30程度の優位は、本当にあっても中央28%しか見つけられません。加えて×は4関門を全部落ちたという意味で、真に0.30の手法が4関門を通る確率は8.6%(=本物でも9割は×になる)。

したがってこの判定から言えるのは、「この手法に期待してよい上限は、年率シャープ0.62未満」までです。ゼロだとも、マイナスだとも言っていません。辞書トップの「検出できる下限」に詳しく書いています。

期間別に測るとどうだったか

この辞書の記号は16年8ヶ月をまとめて1つに測った結果です。「全期間で測るとこうなる」という限定つきの事実であって、いつの相場でもそうだという意味ではありません。

では「昔は効いた」と書けるか ── 書けませんでした。48指標の減衰を2通りの時代の区切り方で測ったところ、2つの結果の相関は r=+0.28(並べ替え検定 p=0.056)。区切り方を変えると順位が入れ替わる指標が多く、「賞味期限」の多くは手法の性質ではなく区切り方の産物でした。

そこで主張は足さず、事実だけを並べます。「2014-17年に測ったらこの値だった」は来年も変わりません。変わり目があるかどうかは、表を見たあなたが決めてください。

全4期間を測り終えています。

2010-13-0.45±0.44 / n=1339
2014-17±0±0.42 / n=1296
2018-21-0.74±0.56 / n=1305
2022-25±0±0.50 / n=1320

読み方: 数字は期間内の年率シャープ(コスト控除後・同一の土俵で測定)(年率シャープ)。±0=値が自分の誤差(標準誤差)より小さく、ゼロと区別できない。n=◯=取引数が30回未満で、数字を出す意味がない。=別の区切り方で測ると符号が変わったセル(この数字は区切り方に依存します)。未測定=まだ測っていない。悪かったという意味ではありません。なお、この表の ±0n=◯4年ごとに切った1つの期間の話で、ページ冒頭の判定記号(×=16年通しで見つけられる大きさが無かった / n=16年通しでも回数が足りない)とは粒度が違います

測定日: 2026-08-28 / 対照分割(2年×8)と突き合わせ済み

なぜ「効く」ように見えるのか

高値切り上げ・安値切り上げの定義は後から見れば明瞭ですが、リアルタイムでは「どの山と谷を使うか」に無数の裁量が入ります。後知恵では常に正しく、実運用では機能しない構造です。

よくある疑問

Q. 本で読んだ理論と違う?

A. 理論の記述自体は相場の性質の観察として価値があります。問題は「それで売買して勝てるか」で、検証の答えはノーでした。

Q. 時間足を変えれば?

A. 複数の時間足で検証済みです。どの足でも優位は確認できませんでした。

それでも使うなら

相場を語る語彙としては有用。売買ルールとしては非推奨。
関連ツール: 📊 検証スコアボード

📄 この手法の詳しい検証記事(note・無料)
ダウ理論は本当に勝てるのか ── 「トレンドに乗る理論」が、トレンド相場で一番負けた理由

※測り方(共通の土俵): 最長16年・最大6通貨・教科書どおりの標準ルールで、シグナルの次の足の値段から建て、コスト(スプレッド)控除後で評価。パラメータ選びに使う期間と成績を測る期間は分離(凍結)。詳細は検証の方法

🔬 この判定の「なぜ」を、証拠ごと

全手法の判定一覧は判定辞書トップスコアボードに。検証の中身(データ・手順・落とし穴)は note の検証記事群でどうぞ。

全手法スコアボード(note・無料) →

判定は当ラボの実検証(過去データ)に基づく要約であり、将来の結果を保証せず、特定商品・手法の断定的否定でもありません。本ページは教育目的であり、投資助言ではありません。