「EVって何?」「t値って?」── まぐれ判定つきバックテスターの画面に出てくる言葉を、ひとつずつ噛み砕いて説明します。専門用語の暗記は要りません。何を疑うための数字なのかだけ分かれば十分です。
1回のトレードで平均どれだけ増えた/減ったか(pips)。
全トレードの損益を足して回数で割った値です。+3.0p なら「1回あたり平均3pipsの儲け」。勝率とは別物で、勝率が低くてもEVはプラスになりえます(数回の大勝ちが小さな負けを上回る形)。当ツールの「コスト後EV」はスプレッド・スリッページ・スワップを引いた後の数字です。
総利益 ÷ 総損失。1.0で±ゼロ。
1.2なら「損した額の1.2倍を稼いだ」。1.0未満は負け越しです。EVと同じくコスト後で見ないと意味がありません。
その成績が「たまたま」で説明できるかの物差し。
ざっくり2を超えると「偶然にしては強い」とされます。ただし試行回数が多いほど大きな値が偶然出ます(→データスヌーピング)。当ツールは試した設定の数に応じて合格ラインを自動で厳しくしています。
資金の山から谷までの落ち込み。
「いくら儲かるか」より先に見る数字です。最大DDが実際の資金より大きければ、途中で退場します。くわしくはドローダウンの解説へ。
その取引の最大逆行(MAE)と最大含み益(MFE)。
MAE=建ててから最も不利になったところ。勝ちトレードのMAEより浅い損切りにすると、その勝ちは取れなくなります。MFE=最も有利になったところ。負けトレードのMFEが大きいなら、利確が遅すぎたのかもしれません。
同じ決済ルールのまま、エントリーだけをでたらめにした偽物と比べる検査。
当ツールの本体です。「でたらめ200個のうち◯個があなた以上」が多ければ、その成績はサイコロでも出せたということ。順序を入れ替えるだけのモンテカルロとは別物です。
たくさん試すほど「偶然の当たり」が混ざるので、合格ラインを厳しくする仕組み。
20回試せば、本当は無意味な設定でも1つくらいは「すごい成績」に見えます。当ツールはその日に試した設定の種類数で合格ラインを自動的に厳しくします。
昔(〜2018)/中間(2019-22)/直近(2023〜)に分けて成績を見る。
全期間だけを見ると「昔よく効いた手法」が今も使えるように見えます。直近だけマイナスなら、過去に合わせただけの可能性が高い。
上昇トレンド期・下落トレンド期・レンジ期に分けた成績。
「単に円安に乗っただけ」を見抜くための分解です。1つの地合いでしか勝てていないなら、その地合いが終われば終わります。
数字を±20%ずらしても生き残るかの一覧。
あなたの数字だけ良い(左右が悪い)なら、それは偶然の山の頂点です。当ツールが最適化機能を持たない理由でもあります。
順番や条件を乱数で揺さぶって、結果がどれだけブレるかを見る検査。
当ツールでは4種類:順序シャッフル(DDの分布)/取引を30%除外/開始時期をずらす/コストを乱数化。「マイナスになる割合」が高いほど、その成績は運や条件に依存しています。
買値と売値の差=毎回必ず取られるコスト。
当ツールは通貨ごとの実勢スプレッド(往復)を自動で引いています。口座が違えば上書きできます。
注文した価格と実際に約定した価格のズレ。
指標発表時や早朝など流動性が薄い時間ほど大きくなります。当ツールは往復pipsで一律に不利側へ計上します(既定0.3pips)。
ポジションを持ち越すと毎日発生する金利の受け払い。
日をまたぐ手法では無視できません。売り方向は支払いになることが多い(例: ドル円の売りは1日あたり数pips相当の支払い)。当ツールは銘柄別の目安を自動で引き、口座に合わせて変更できます。
検証のときに「その時点では知り得ない情報」を使ってしまうバグ。
うますぎる成績のほとんどはこれです。当ツールはシグナルは足の終値で確定→次の足の始値で約定と決めています。くわしくは先読みバイアスへ。
検証で見つけた後、これから先のデータで確かめること。
過去に効いたは入口にすぎません。当ツールのフォワード手帳に登録すると、登録日以降の新しいデータだけで測り直せます。
チャートパターンが完成したと判断する境目の線。
ダブルボトムなら2つの底の間の山。当ツールは水平と斜め(2つの山を結ぶ)を選べます。
ブレイクした後、いったん元の線まで戻ってくる動き。
「ブレイク即で入る」か「プルバックを待つ」かで成績は大きく変わります。当ツールは両方を切り替えて比較できます。
「ここが山/谷だった」と後から確定する点。
当ツールはX pips以上逆行して初めて確定とします(先読みを避けるため)。Xが小さいほど敏感=形が増えます。
統計的におかしい成績に自動で付く注意書き。
取引数30回未満/勝率が高すぎる/凍結期間だけ良い、などを機械的に検出します。喜ぶ前に疑うための装置です。