「トレンドは継続する」── 100年以上読み継がれるダウ理論。その教えに従えば、トレンドに乗るほど勝てるはず。でも当研究室が16年・主要6通貨の日足で検証すると、意外な結果が出ました。ダウ理論的なトレンドフォローは、トレンドが一番強い相場でこそ、成績が最下位だったのです。
🔬 この検証の要点(数値サマリー)
「高値・安値の切り上げでトレンドを定義し、その方向に乗る」というダウ理論の核を、誰がやっても同じになるルールに落とし込み、12の切り口で検証しました。すべて未来を覗かず・コスト込み・主要6通貨。さらに相場を「強いトレンド/弱いトレンド/レンジ」の状態(レジーム)に分けて、どの局面で効くかまで見ています。
普通は「トレンドが強い時こそトレンドフォローが効く」と思いますよね。ところが逆でした。トレンドが強い相場で、ダウ理論型は最下位。理由はシンプルで、為替の日足ではトレンドが「だましの往復」を挟みながら進むため、高値切り上げを確認して乗った頃には、もう一服。乗るたびに往復ビンタを食らうのです。「乗れた」と思った瞬間が、たいてい目先の天井でした。
近年(2023〜)はダウ理論型もプラスに見えます。でも分解すると、手法の力ではなく、歴史的な円安トレンドに乗っていただけ。円安という強い一方向の流れがあったから「トレンドフォロー」が機能して見えた。流れが変われば、同じ手法は逆に働きます。勝っていたのは"腕"でなく"相場つき"でした。
大事なのはここ。ダウ理論は「売買サイン」としては弱いが、「相場を読む枠組み・守り」としては今も価値がある。「トレンドが崩れた=直近安値を割った」を降りる(損切る)合図として使えば、下げ相場でのダメージを減らせます。攻めの道具としては薄くても、守りの文法としては生きている ── これが正直な結論です。
12の切り口の全結果、相場の状態(レジーム)別の勝ち負け一覧、そして「トレンド理論なのにトレンドで負ける」を学術的にどう説明するかまで、note の記事に詳しくまとめています。ダウ理論は本当に勝てるのか ── 「トレンドに乗る理論」が、トレンド相場で一番負けた理由(note)
ダウ理論は「トレンドに乗る理論」なのに、トレンドが強い相場で一番負けました。"勝って見えた"のは円安便乗。それでも相場を読む枠組み・降りる守りとしては今も有効。手法そのものより使う条件が成績を決める ── ダウ理論はその典型です。
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