「この手法は勝てる」「鉄板の反発ポイント」「AIで勝率99%」── FXには魅力的な言葉があふれています。でも、その多くは本当に、自分のお金を賭けて勝てるのか? フィボナッチ・移動平均・キャリー・AI予測…人気の手法を16年・主要6通貨・実際のコスト込み・未来を覗かずに端から検証してきました。この記事はその全体像です。結論を先に言うと ── 派手な手法ほど効かず、本物は驚くほど地味な少数。そして"本物"ですら、それだけでは使えない。
🔬 この検証の要点(数値サマリー)
結果の前に、どう確かめたか。どの手法にも同じ4つをかけました。①未来を覗かない(過去で決めて未知の期間で答え合わせ)②でたらめ対照(コイン投げと差があるか)③コストを引く(スプレッド込み)④ただ買って持つだけに勝てるか。さらに ── うますぎる成績は、才能でなくバグを疑う。月利+12%の"聖杯"が、コード1行の先読みバグだったこともありました。
フィボナッチの黄金比は、押し/戻り1,395回を測ってもでたらめに引いた線と見分けがつきません。キリ番(150.00など)も"でたらめな価格"と同等。AIの「予測99%」は値段の近さを測っているだけで、肝心の方向はコイン投げ並み(約46%)。ICT/SMCの人気概念(FVG・オーダーブロック)もランダムなゾーンと変わりませんでした。名前が派手で教えやすいものほど、検証すると崩れます。
残ったのは「活発な時間の値動きについていく」「曜日・時間帯の偏り」といったSNSでバズらない地味なものだけ。しかも控えめです。共通するのは流動性の偏りという"市場の構造に根ざした理由"があること。物語ではなく構造があるものだけが生き残りました。
学術で最も裏づけの厚いトレンドフォローですら、正直に測れば効率はSharpe 0.3前後。何年も効かない冬があり、稼ごうとレバレッジをかけると資産が4〜5割減る局面に当たり前に耐えねばなりません。キャリー(金利差取り)も、新興国通貨では危機で−40%超の大損。本物ではあっても"楽な儲け"には程遠いのです。
効いた数少ないものに共通したのは、手法そのものの強さでなく「どの相場の状態で使うか」でした。逆張りは"荒れた相場"でだけ薄く効き、移動平均は"下げ相場から降りる守り"として、トレンドフォローは"暴落の保険"として。道具でなく、道具を使う"条件"が効いている。だから問うべきは「効くか/効かないか」でなく「どの条件でなら芽があるか」です。
一つひとつの手法を「検証で分かった現実/勝ち筋・使いどころ」で並べたスコアボード全体と、相場の状態(レジーム)別の早見表は、note の総まとめにまとめています。各手法の詳しい検証も、ここから順次公開中です。【総まとめ】FXの「勝てる手法」を正直に全部検証 ── 効かない9割と地味な1割(note) / 検証シリーズのマガジン「FX手法 徹底検証」
FXの「勝てる手法」は、ウソでも完全な真実でもありません。派手なほど効かず、効くのは地味な少数、本物でも単体では足りない。そして効くものは手法でなく"相場の状態"に宿る。この地図を一枚持っておくことが、誇大広告から身を守るいちばんの武器になります。
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