HMA(ハル移動平均)は、移動平均の宿命である「滑らかにすると遅れる・速くするとガタつく」のトレードオフに挑んだ指標です。考案者アラン・ハルの名を取っています。

加重移動平均(WMA)を半分の期間と全期間で計算し、その差を使って「遅れの分だけ前に押し出す」工夫をしています。結果、同じ期間のSMAよりかなり速く曲がり、それでいて見た目は滑らかです。
チャート上の見栄えは確かに優秀です。ただし「速くて滑らか」は未来が分かることを意味しません。押し出す工夫は一種の外挿(直近の勢いの延長)なので、急反転ではむしろ行き過ぎた位置から戻ってきます。当研究室の36種検証でも、HMA系のクロス売買が上位に残ることはありませんでした。描画の道具としては優秀、サイン製造機としては他の移動平均と同じ ── が公平な評価です。
HMA=遅れを数学的に削った移動平均。見やすさは本物、予測力は他のMAと同等。「線がきれい=勝てる」ではない好例です。
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