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キャリートレード(金利差取り)は勝てるのか ── 16年検証の判定

n 標本不足 ── 判定を出すには回数・稼働日数が足りない

📜 低金利通貨で調達し高金利通貨で運用する王道戦略。日本の個人投資家「ミセス・ワタナベ」の代名詞でもあります。

結論

平時にコツコツ稼ぎ、暴落で一気に失う非対称な構造です。新興国通貨込みの検証では暴落時−40%級。金利込みでないと成績を測れない(価格チャートには映らない)点も要注意です。

📈 当ラボの実測
9通貨検証: 新興国込みのキャリーは暴落局面で−40%級のドローダウン。G10限定は穏やかですがp=0.17止まり。金利込みでないと成績を測れないことも確認しました ── 実測で、金利は年率シャープを+0.14〜+0.40動かします。下の期間別の表は価格の動きだけを測ったもので、金利を含んでいません(この辞書の物差しが価格しか測らないため)。金利を入れると2022-25は+1.14に上がります。ただし暴落は金利では救われず、2024年8月の円巻き戻しでは−21.4が−19.6になっただけでした。

📏 この「n」の正確な意味

測って見つからなかったのではなく、測れていません。取引回数か稼働日数が足りないため、この手法には × を出す資格がありませんでした(線引き: 取引200回未満、または稼働日数1,500日未満)。× は「16年フルに市場に居て、それでも見つからなかった」という判定なので、年に数回・月に数日しか出番のない手法に貼ると意味がずれます。

これは判定を甘くする操作ではありません。「効くとも効かないとも言えない」を、そう表示しているだけです。上に書いた実測値そのものは変わっていません。

期間別に測るとどうだったか

この辞書の記号は16年8ヶ月をまとめて1つに測った結果です。「全期間で測るとこうなる」という限定つきの事実であって、いつの相場でもそうだという意味ではありません。

では「昔は効いた」と書けるか ── 書けませんでした。48指標の減衰を2通りの時代の区切り方で測ったところ、2つの結果の相関は r=+0.28(並べ替え検定 p=0.056)。区切り方を変えると順位が入れ替わる指標が多く、「賞味期限」の多くは手法の性質ではなく区切り方の産物でした。

そこで主張は足さず、事実だけを並べます。「2014-17年に測ったらこの値だった」は来年も変わりません。変わり目があるかどうかは、表を見たあなたが決めてください。

全4期間を測り終えています。

2010-13n=2回数不足
2014-17n=1回数不足
2018-21n=2回数不足
2022-25n=5回数不足

読み方: 数字は期間内の年率シャープ(コスト控除後・同一の土俵で測定)(年率シャープ)。±0=値が自分の誤差(標準誤差)より小さく、ゼロと区別できない。n=◯=取引数が30回未満で、数字を出す意味がない。=別の区切り方で測ると符号が変わったセル(この数字は区切り方に依存します)。未測定=まだ測っていない。悪かったという意味ではありません。なお、この表の ±0n=◯4年ごとに切った1つの期間の話で、ページ冒頭の判定記号(×=16年通しで見つけられる大きさが無かった / n=16年通しでも回数が足りない)とは粒度が違います

測定日: 2026-08-28 / 対照分割(2年×8)と突き合わせ済み

なぜ「効く」ように見えるのか

金利差は実在のキャッシュフローなので「効いて見える」のは本物です。問題は尻尾のリスク(数年に一度の巻き戻し)が平時の利益を消しうることです。

よくある疑問

Q. 守りながらやるには?

A. 検証では、暴落の前兆(静けさ)に痕跡はあるものの実用は難しく、分散とサイズ管理が現実的な守りでした。

Q. 判定が n(標本不足)になったのはなぜ?

A. この土俵での取引が15回しかないためです(年に1回の入れ替えという低回転の戦略なので、16年でもこの回数にしかなりません)。以前の判定は「痕跡はある」という主張でしたが、15回でその主張を支えることはできませんでした。キャリーが下げられたのではなく、この物差しでは測れないと認めたという意味です。G10限定で p=0.17 という別枠の実測は生きています。

それでも使うなら

非対称リスクを理解した上で。レバレッジは禁物。判定 n は「やめておけ」ではなく「この辞書は判断材料を持っていない」という表示です。
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📄 この手法の詳しい検証記事(note・無料)
キャリートレードは本当に儲かるのか ── 平時に稼ぎ、暴落で失う。鍵はチャートに映らない「金利」

※測り方(共通の土俵): 最長16年・最大6通貨・教科書どおりの標準ルールで、シグナルの次の足の値段から建て、コスト(スプレッド)控除後で評価。パラメータ選びに使う期間と成績を測る期間は分離(凍結)。詳細は検証の方法

🔬 この判定の「なぜ」を、証拠ごと

全手法の判定一覧は判定辞書トップスコアボードに。検証の中身(データ・手順・落とし穴)は note の検証記事群でどうぞ。

全手法スコアボード(note・無料) →

判定は当ラボの実検証(過去データ)に基づく要約であり、将来の結果を保証せず、特定商品・手法の断定的否定でもありません。本ページは教育目的であり、投資助言ではありません。