← 判定辞書トップ / 戦略
n 標本不足 ── 判定を出すには回数・稼働日数が足りない
📜 低金利通貨で調達し高金利通貨で運用する王道戦略。日本の個人投資家「ミセス・ワタナベ」の代名詞でもあります。
平時にコツコツ稼ぎ、暴落で一気に失う非対称な構造です。新興国通貨込みの検証では暴落時−40%級。金利込みでないと成績を測れない(価格チャートには映らない)点も要注意です。
📏 この「n」の正確な意味
測って見つからなかったのではなく、測れていません。取引回数か稼働日数が足りないため、この手法には × を出す資格がありませんでした(線引き: 取引200回未満、または稼働日数1,500日未満)。× は「16年フルに市場に居て、それでも見つからなかった」という判定なので、年に数回・月に数日しか出番のない手法に貼ると意味がずれます。
これは判定を甘くする操作ではありません。「効くとも効かないとも言えない」を、そう表示しているだけです。上に書いた実測値そのものは変わっていません。
この辞書の記号は16年8ヶ月をまとめて1つに測った結果です。「全期間で測るとこうなる」という限定つきの事実であって、いつの相場でもそうだという意味ではありません。
では「昔は効いた」と書けるか ── 書けませんでした。48指標の減衰を2通りの時代の区切り方で測ったところ、2つの結果の相関は r=+0.28(並べ替え検定 p=0.056)。区切り方を変えると順位が入れ替わる指標が多く、「賞味期限」の多くは手法の性質ではなく区切り方の産物でした。
そこで主張は足さず、事実だけを並べます。「2014-17年に測ったらこの値だった」は来年も変わりません。変わり目があるかどうかは、表を見たあなたが決めてください。
全4期間を測り終えています。
読み方: 数字は期間内の年率シャープ(コスト控除後・同一の土俵で測定)(年率シャープ)。±0=値が自分の誤差(標準誤差)より小さく、ゼロと区別できない。n=◯=取引数が30回未満で、数字を出す意味がない。‡=別の区切り方で測ると符号が変わったセル(この数字は区切り方に依存します)。未測定=まだ測っていない。悪かったという意味ではありません。なお、この表の ±0・n=◯ は4年ごとに切った1つの期間の話で、ページ冒頭の判定記号(×=16年通しで見つけられる大きさが無かった / n=16年通しでも回数が足りない)とは粒度が違います。
測定日: 2026-08-28 / 対照分割(2年×8)と突き合わせ済み
金利差は実在のキャッシュフローなので「効いて見える」のは本物です。問題は尻尾のリスク(数年に一度の巻き戻し)が平時の利益を消しうることです。
Q. 守りながらやるには?
A. 検証では、暴落の前兆(静けさ)に痕跡はあるものの実用は難しく、分散とサイズ管理が現実的な守りでした。
Q. 判定が n(標本不足)になったのはなぜ?
A. この土俵での取引が15回しかないためです(年に1回の入れ替えという低回転の戦略なので、16年でもこの回数にしかなりません)。以前の判定は「痕跡はある」という主張でしたが、15回でその主張を支えることはできませんでした。キャリーが下げられたのではなく、この物差しでは測れないと認めたという意味です。G10限定で p=0.17 という別枠の実測は生きています。
非対称リスクを理解した上で。レバレッジは禁物。判定 n は「やめておけ」ではなく「この辞書は判断材料を持っていない」という表示です。
関連ツール: 🎯 プロップ合格率シミュレータ
※測り方(共通の土俵): 最長16年・最大6通貨・教科書どおりの標準ルールで、シグナルの次の足の値段から建て、コスト(スプレッド)控除後で評価。パラメータ選びに使う期間と成績を測る期間は分離(凍結)。詳細は検証の方法。
判定は当ラボの実検証(過去データ)に基づく要約であり、将来の結果を保証せず、特定商品・手法の断定的否定でもありません。本ページは教育目的であり、投資助言ではありません。