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× この検証で見つけられる大きさの優位は無かった
📜 「出来高で重み付けしたRSI」としてジーン・クォンらが考案。RSIの弱点(価格しか見ていない)への、正面からの回答です。
かつて ◎ を出していましたが、2026-08-29に × へ下げました。根拠にしていた「上位10設定のプラス率85%」が、独立した10個の証拠ではなかったためです(異なるシグナルは4種のみ)。探索なしで測り直した全期間の年率シャープは +0.33 ± 0.24 でゼロと区別できません。さらに、当初は「でたらめデータでは同じ成績が出ない」ことを根拠に一度 △ に留めましたが、その対照が甘すぎました ── 円安局面を壊してしまう作り方だったため、較正し直した対照では、でたらめのほうが良い成績を出すことがありました。
各マスは「その時代より前のデータだけで選抜した上位10設定のうち、その時代のOOS(選抜に使っていない期間)でプラスだった本数」。10/10なら上位設定が全部プラス、0/10なら全部マイナス。下の小さい数字は上位設定のOOS取引数の中央値です(設定ごとに取引数は異なり、検証・OOSとも10回未満の設定は選抜前に足切り済み。それでも少ないマスほど偶然が混ざります)。左=2010年代(OOS 2015-19)・右=2020年代(OOS 2023-26)。
| 銘柄 | 1時間足 | 4時間足 | 日足 | |||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2010年代 | 2020年代 | 2010年代 | 2020年代 | 2010年代 | 2020年代 | |
| ドル円 | 9/10 取引35 | 2/10 取引68 | 0/10 取引47 | 1/10 取引34 | 2/10 取引22 | 10/10 取引15 |
| ユーロ円 | 5/10 取引26 | 7/10 取引42 | 3/10 取引22 | 0/10 取引11 | 4/10 取引36 | 9/10 取引22 |
| ポンド円 | 4/10 取引45 | 5/10 取引37 | 9/10 取引57 | 0/10 取引18 | 0/10 取引34 | 0/10 取引29 |
| ユーロドル | 8/10 取引13 | 4/10 取引31 | 4/10 取引33 | 10/10 取引18 | 1/10 取引34 | 9/10 取引11 |
| ポンドドル | 2/10 取引48 | 2/10 取引30 | 3/10 取引32 | 7/10 取引59 | 6/10 取引36 | 10/10 取引11 |
| 豪ドル/ドル | 9/10 取引28 | 0/10 取引20 | 1/10 取引31 | 10/10 取引24 | 6/10 取引19 | 6/10 取引24 |
| 金(ゴールド) | 0/10 取引139 | 4/10 取引91 | 1/10 取引40 | 7/10 取引27 | 7/10 取引16 | 5/10 取引23 |
使えるとしたら ── 「出来高つきRSI」ですが、両時代そろって8/10以上のマスはゼロ。好成績マス(10件)はすべて片側の時代だけで、ドル円1時間足9/10→2/10、豪ドル1時間足9/10→0/10と続きません。FXの出来高(ティック数)を混ぜても、時代を越える力にはなりませんでした。
相場つき別(4時間足・凍結期間の1トレード平均pips)
| 銘柄 | トレンド | レンジ | 高ボラ | 低ボラ |
|---|---|---|---|---|
| ドル円 | +37.8 | — | +21.8 | — |
| ユーロ円 | -11.3 | — | -18.6 | — |
| ポンド円 | +17.9 | — | +17.9 | — |
| ユーロドル | +15.4 | +1.7 | +32.4 | +3.8 |
| ポンドドル | +4.2 | -4.3 | +3.3 | -0.6 |
| 豪ドル/ドル | +7.1 | +4.6 | — | +8.7 |
※正直な注意: ①この分解は結果を後から条件で切った記述統計であり、事前に予告された戦略ではありません。細かく切るほど偶然の濃淡も混ざります(データスヌーピング)。②損切り・利確・保有本数の探索範囲は4時間足を想定した値のため、日足と金では相性の悪さが数字を押し下げている可能性があります(切り分けの確認はしていますが、完全には分離できません)。③金は1pips=0.1ドル・往復コスト4.0pips(当ラボの実測3.5pipsより保守側)・データは2026年6月まで。④相場つき別の表は4時間足の計測(金は対象外)。時代別の表とは別の計測のため、直接の突き合わせはできません。観測が少ないセルは「—」表示。
なお、この判定は上記の標準的な設定の範囲で測ったもので、あなたの使っている設定に合わせた調整はしていません。自分の期間・閾値・損切り幅で確かめたい場合は、まぐれ判定つきバックテスター(無料)でそのまま試せます ── 効くかどうかを決めるのは、この表ではなくあなたの検証です。
📏 この「×」の正確な意味
「効かない」ではありません。「16年測ったが、この検証で見つけられる大きさの優位は無かった」です。16.6年・6通貨で測ると、年率シャープの数字は手法によらず前後0.22ほど揺れます(期間の長さだけで決まる量)。この揺れに埋もれない大きさ ── 年率シャープ0.62以上が、当ラボが8割の確率で見つけられる下限です。実務的にありがたい0.30程度の優位は、本当にあっても中央28%しか見つけられません。加えて×は4関門を全部落ちたという意味で、真に0.30の手法が4関門を通る確率は8.6%(=本物でも9割は×になる)。
したがってこの判定から言えるのは、「この手法に期待してよい上限は、年率シャープ0.62未満」までです。ゼロだとも、マイナスだとも言っていません。辞書トップの「検出できる下限」に詳しく書いています。
この辞書の記号は16年8ヶ月をまとめて1つに測った結果です。「全期間で測るとこうなる」という限定つきの事実であって、いつの相場でもそうだという意味ではありません。
では「昔は効いた」と書けるか ── 書けませんでした。48指標の減衰を2通りの時代の区切り方で測ったところ、2つの結果の相関は r=+0.28(並べ替え検定 p=0.056)。区切り方を変えると順位が入れ替わる指標が多く、「賞味期限」の多くは手法の性質ではなく区切り方の産物でした。
そこで主張は足さず、事実だけを並べます。「2014-17年に測ったらこの値だった」は来年も変わりません。変わり目があるかどうかは、表を見たあなたが決めてください。
全4期間を測り終えています。
読み方: 数字は期間内の年率シャープ(コスト控除後・同一の土俵で測定)(年率シャープ)。±0=値が自分の誤差(標準誤差)より小さく、ゼロと区別できない。n=◯=取引数が30回未満で、数字を出す意味がない。‡=別の区切り方で測ると符号が変わったセル(この数字は区切り方に依存します)。未測定=まだ測っていない。悪かったという意味ではありません。なお、この表の ±0・n=◯ は4年ごとに切った1つの期間の話で、ページ冒頭の判定記号(×=16年通しで見つけられる大きさが無かった / n=16年通しでも回数が足りない)とは粒度が違います。
測定日: 2026-08-28 / 対照分割(2年×8)と突き合わせ済み
価格だけの指標が「過去の値動きの言い換え」なのに対し、MFIは出来高という別の情報を足しています。機序としては筋が通る ── だから当ラボも◎を出しました。落とし穴は数え方のほうにありました。似た設定を10個並べて「10個中8.5個がプラス」と数えると、証拠が10倍に水増しされます。
Q. ◎を取り消したということは、効かないのですか?
A. いいえ。「効かない」とも言えません。この検証が8割の確率で見つけられるのは年率シャープ0.62以上の優位だけで、+0.33はその下です ── 実在しても見えない大きさです。◎の取り消しは「無い」の証明ではなく「有る」と言い切る根拠が消えた、という意味です。
Q. FXの出来高は不完全では?
A. その通りで、FXの出来高はティック数等の代理です。それでも情報量の差は出た、というのが興味深い点です。
◎を取り消した手法です。単体シグナルとして期待するのは非推奨。出来高(FXではティック数の代理)を状態把握に足す発想までにとどめてください。
関連ツール: 🌡️ 相場の体温計(状態把握なら毎日自動計算) / 指標の見方はMFI(マネーフローインデックス)の解説ページへ
🔬 検証条件(実際の検証コードから転記)
対象: 6通貨ペア(ドル円・ユーロドル・ポンド円・ユーロ円・ポンドドル・豪ドル/米ドル)×4時間足×約16年分
手順: パラメータの格子からランダムサーチ4,000試行で探索 → 訓練期間(〜2018年末)と検証期間(〜2022年末)で選抜 → 成績は凍結期間(2023年〜)のみで評価(選抜に使った期間の成績は使わない)
コスト: 全取引から往復1.0pipsを控除 / 各取引にレジームタグ(トレンド/レンジ=ADX・高/低ボラ=ATR)を付与
判定は当ラボの実検証(過去データ)に基づく要約であり、将来の結果を保証せず、特定商品・手法の断定的否定でもありません。本ページは教育目的であり、投資助言ではありません。