FVG(フェアバリューギャップ)・オーダーブロック ── 海外発のICT/SMC(スマートマネーコンセプト)は、いま世界でもっとも人気のある手法体系です。「機関投資家の注文の痕跡を読む」という物語は魅力的ですが、16年・主要6通貨で数えると、その特別な水準への反応は、ランダムに引いた線と同等でした。
🔬 この検証の要点
「スマートマネーの足跡」という物語の強さと、チャートのどこにでも根拠を見つけられる柔軟さ(=検証しにくさ)が理由だと考えています。後付けなら必ず説明がつく仕組みは、手法として強いのではなく、反証しにくいだけです。
「ゾーン単体でなく、FVG・オーダーブロック・流動性・上位足バイアスが重なる地点だけを狙うのが本流だ」という見方があります。そこで、その“重なりの数”そのものを測りました ── 5要素を機械検出し、同じ価格帯に何個重なったかで成績を分け、まったく同じ数だけ「ランダムにずらした偽の帯」を重ねた場合と比較します。
🔬 コンフルエンス検証の結果
“重なりの数”で終わりにはしません。さらに本場のICT/SMCの“正しいやり方”に寄せてもう一段踏み込みます ── コンフルエンスの本質は個数でなく「順序付きの型」(日足で方向→流動性の狩り→FVG形成→戻りで執行)で、しかも執行は5分・15分足。世に出回る教材(Killzone・Silver Bullet・Power of 3)どおりに組み直し、実践者が「効くのはここだけ」と言う条件を総当たりしました。すべて「本物−ランダムの差」で判定しています。
🔬 “定義”を突き詰めた最終結果(本物−ランダムの差)
主要な切り口それぞれの「本物のゾーン − ランダムな帯」の差(平均リターンの差)。灰色の帯は±0.2pips(=スプレッド1回にも満たない誤差の範囲)。本物が有利なら点は右へ飛び出すはず ── だが、どれも中央のゼロ付近に張り付いた。
本物のゾーンランダムな帯
各時間帯の「本物−ランダムの差」。灰帯=±0.2pips。最大は18時台の+0.09pips。
個数でも、順序でも、短い時間足でも、時間帯でも、決済でも、相場の状態でも、生の分布で見ても ── ランダムとの差は出ませんでした(対象はFXメジャー6通貨。ゴールド・株価指数は対象外です)。残るのは「それは本物のコンフルエンスではない」「文脈は機械に読めない」という見方です。ここで球を返させてください ── それらの見方も、“こう定義して・この順で・この足で”と手順の形にしていただければ、いつでも同じ土俵に乗せて検証します。現に、今回のコメントをきっかけに順序付きの型まで測り直せました。
逆に、機械的に定義できないものは、他人が同じ手順でたどれる「手法」としては形になりません。これは相手を突き放しているのではなく、検証という営みの設計上・定義上の線引きです。どんな手順を示しても“違う”となる部分は、検証ではなく個人の確信の領域 ── そこを分けておきたい、という趣旨です。
正直に、この検証が触れられない範囲も書いておきます ── 目視でしか選べない“FVGのどこにタッチしたか”“上位足の流動性がどちらへ向かうか”といった裁量の読み、上位足FVG内の下位足FVG(入れ子)、相関ペア間のダイバージェンス(SMT)は機械化しきれず本検証の外です。ここに優位が残る可能性は否定しません。ただそれは「他人が同じ手順でたどれる手法」ではなく、名人の勘に近いものになります。
📚 続編・完全版
このコメント対話をきっかけに、FVG・OBだけでなくブレイカー・CHoCH・ジュダス・SMT・非対称RVなど32用語すべてを、金・指数・帰無分布(p値)まで含めて「定義→解析→結果→考察」で一つずつ解剖しました。→ ICT/SMC 実測辞典世界一人気の手法は「ランダムな線」と同じだった ── ICT/SMCのFVG・オーダーブロックを16年検証(note)
FVG・オーダーブロックへの反応はランダムな線と同等。物語の魅力と統計的な優位は別物 ── 世界一人気でも、検証は免除されない。
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本記事は教育目的の解説・検証であり、投資助言ではありません。投資は自己責任で。